婦人警官 制服の為に ―真理子剥落―

 序章

「う……ん……ここは……?」

 優華がゆっくりと目を開ける。すると瞬間的に何かが違う事に気付いた。

 自分は警察署の中にいるはず。仕事仲間がいる慣れ親しんだ地域課の部屋にいるはず。
 今いる場所は真っ暗などこか。自分の周りだけスポットライトが降り、自身が横になるベッドとその周囲1メートル程度だけが見通せるような所だった。
 そこはまるで暗転したステージか手術台のような雰囲気。

「わ……私……は……」

 なぜこんな所に? 優華は戸惑いながら記憶を手繰った。
 あの悪夢のような、無限地獄のような巡回があって署に戻り、すぐに殺人事件の一報を聞いた、までは覚えている。
 しかし、そこから先の記憶はない。

 優華は起き上がろうとした。
 
「……えっ!」


 しかし、その体は動かない。大の字に開かれた腕も脚も縛り付けられたような強烈な力に抑えつかれて動かすことが出来なかった。

 
はっと手首を見る。細い手首には革製の拘束具がまかれ、ベッドに拘束されていた。ロングブーツを履いた脚も同じ状態。ブーツの上から拘束具を付けられて拘束されていた。
 婦人警官の制服を着用したままで。

 
「な……なにこれ! だ、誰か! 外して!」


 優華が戸惑いながらぎしぎしと革の拘束具を引っ張り、軋ませながらそれを解こうとするも頑丈な拘束具はびくともしない。
 どうにもならない状態に叫ぶと返事のように空から紙が一枚、ひらひらと降ってきた。
 その紙は不安定に宙を舞いながら落下していたが、最後はぺたんと優華に見えるように制服の上に着地した。


「……これ……!」


 優華の目に飛び込んできた物。その紙には婦人警官の制服姿で男の肉棒をしゃぶる優華が写し出されていた。

「や、やめて!」

 優華は金切り声を上げた。しかし、それに答えるように次々と空から紙が舞い落ちて来た。

 無理やりのキスに顔を歪める優華。
 強制的に排泄させられる優華。
 剃毛させられる優華。
 白濁液が飛び散った制帽を被る優華。
 ペニスを擦りつけられたロングブーツを履く優華。
 破瓜させられ秘所から鮮血を流す優華。
 次々と男に蹂躙され泣き叫ぶ優華。

 あの悪夢を無機質に記録した写真が次々と優華に見えるように彼女の体に落ちた。


「やめて! やだっ! そんなのを見せないでっ!」


 優華は拘束された手足を精一杯にばたつかせ、首を激しく左右に振った。


「元気だね、婦警さん」


 その時、優華の耳に男の声が入ってきた。声の方を見てみるとそこに前田がいた。

 前田はベッドに横たわる優華に近付くとそっとその脚を包み込むロングブーツに触れ、革の感触を味わうようにゆっくりと撫でた。


「あ、あなたっ! もういいでしょ! これ以上やめて!」


 優華がうっすら涙を浮かべた目を前田に向ける。そんな視線を受けながら前田がくくっと笑った。

「俺達にヤられておかしくなったり元気がなくなったりしたらどうしようかと思ってたけど……それだけ悲鳴をあげれればいいな」

 そう言うと前田はチラッと自分の背後に視線を送った。するとスポットライトの外の闇から松永、吉田、野村が現れてきた。


「ひっ!」

「いつも俺達にキツイ事を言う婦警さんが涙を流しながら悲鳴をあげる……最高だな」


 前田がそう言うと男四人の八本の腕がベッドに拘束される優華に伸びた。


「いやあああっ! 来ないで! やめてええっ!」


 優華は前田の言う通りに悲鳴を上げて体をよじる。そんな悲鳴を上げる優華を楽しむように男達はにやつきながら優華の体に手を伸ばした。

 一人は上着のボタンやシャツのボタンに手をかけて全てはずして白いブラに包まれた乳房を剥き出しにし、一人はスカートに手を入れて太腿を触り、一人は頬や首筋を撫で、ロングブーツをまとう脚を撫で回す。

 八本の手がそれぞれ独立し、勝手に嫌がる優華の体の上を這い回った。


「やめて……もう……やああああ……」


 優華のきゅっと閉じた目から涙がこぼれた。そんな優華の顔に前田はロングブーツを撫でる手を止めて顔を近づけた。


「そうだ……それが最高の表情だ、婦警さん……これからも頼むよ……」


 そう言うと優華の唇に自分の唇を無理やりに重ね合わせた。

「んんっ……んんんんっ…………」

 生暖かい唇の感触。
 そして。つっと目元から涙が冷たい軌跡を描いて零れ落ちていった。

△次に進む ▽入口に戻る