婦人警官 制服の為に ―婦人警官開放―
11 連鎖
「ん……」
「んん……はあ」
2人が唇を合わせて数秒。優華はそっと真理子の唇から離れた。2人の僅かに開いた唇から薄い溜息のような息がこぼれる。
「……先輩……」
「…………」
ゆっくり目を開け、自分の下にいる真理子を見てみる。
先輩と後輩の一線、女同士の一線、そして婦人警察官としての一線。
全てを踏み越え、束縛から解かれた開放感のような妙な清々しさを互いに感じているようだった。
優華がなんのあてもなくぽつと真理子の名を呼んだ。だが彼女は返事をせずにとろんとした眼差しでただ優華を見つめていた。
2人の視線がぶつかり合う。すると不意に真理子の口がゆっくり開いた。
「……まだ……」
「え……」
一瞬、きょとんとした顔を優華が浮かべた。その時、
「そんなんじゃないっしょ」
デジカメを構えていた松永が2人に声をかけた。
「レズのキスってもっとねちっこいんだろ? そんなあっさりしてなくて」
「…………」
そう言われた優華は戸惑ったような松永に視線を流した。
「そうだな……まあ、久保寺巡査はまだわかってないみたいだから……ここは経験豊富な桜井巡査に頑張ってもらおう」
にやっと前田が笑う。
「…………」
どう言う事?
優華は戸惑ったままの視線を真理子に戻した。
潤み、とろんとした目に涎が垂れた跡が残る口元。そして僅かに開いた唇と弱い呼吸が漏れている。
尊敬している先輩、婦人警察官真理子の姿はその顔には全くなかった。
そんな真理子を優華はじっと見つめた。
「…………優華……もう一度……」
「せ……先輩…………?」
もう一度何をしてほしいか。優華は真理子の顔を見つめながら理解をするとそっと唇を尖らせ、ゆっくりと瞼を閉じながら自分の顔を真理子に近付けて行った。
優華の胸の鼓動がスピードを上げ、全身に熱くなった血を回す。
熱を帯びた乳房同士が合わさり、互いの気持ちが皮膚一枚で交錯した。
「……ん……」
2人の乳房が潰れるのとほぼ同時、優華の唇に温もりが再び伝わった。その時、
「ん!」
優華の唇に真理子の唇以外の感触が動いた。
しっとりと濡れ、ほのかに暖かい、そして唇のように柔らかく固い物がリップスティックのように優華の唇を撫でる。
その感触は唇をそっと撫でると唇の隙間に入り込み、開いた歯の間に潜り込んだ。
「ん……んん……」
それが真理子の舌である事はすぐにわかった。それが口の中に滑り込まれた瞬間、優華の体をぞくっと得体の知れない興奮が悪寒のように走った。
今まで前田、松永、野村、吉田の男共に唇を奪われ、舌をねじこめられて来た。その度に心臓が止まりそうなほどの嫌悪と屈辱、そして冷たさを感じた。しかし、今は違う。
真理子の暖かく、愛しそうに口の中を撫でる舌。獣達のように口の中を蹂躙するような動きではなく、愛する人を愛撫するような思いやりのある動き――。
優華の心臓はさらにビートを早め、体温がさらに上がった。
「ん……」
優華は自分の口の中に入って来た真理子の舌にぎこちないながらも自分の舌を動かし、からみつくように撫でた。
「ん…………」
「んんん…………」
優華の反応に真理子はすっと舌を彼女の口から僅かに抜いた。すると優華も追随するように唇の合間から舌を出し、僅かに顔を上げた。
2人の唇と唇の間で真理子の舌に絡み付き、その様子が傍目からでもわかる。
「んあっ……」
「あ……ん……」
ぴちゃ、くちゃ……。
2人の舌が絡み会う度に淫音とも言えそうな音が聞こえる。
先輩と繋がっている。
その音を優華は耳にして恥ずかしいとか厭らしいとかそんな感情は起きなかった。むしろなぜか嬉しい、もっとしてほしいと気分がどんどん高まって行った。
「あん……」
「ん……」
優華は再び真理子の唇にがばっと覆い被さると今度は逆に自分の舌を真理子の中に滑りこませた。
真理子の口の中でもごもごと優華の舌が動き、真理子の舌もそれに絡みつく。
ちゅく、ちゅば……
唇が合わさり、互いの唇を舐め、吸い、撫でる。
2人は夢中になって互いの口を貪りあった。
「ん……んん……」
「ん……はあ……」
余り動かない優華の顔に対して真理子は貪欲に優華の唇や舌の動きを堪能できるポジションを探すように首を左右にゆっくり振った。
「……優華……」
優華がそっと顔を上げて真理子との間に僅かな空間を作った。つっと2人の涎が舌の先で繋がり、それがぷつんと切れると溜息のような吐気と共に真理子の口から言葉が漏れた。
「…………今まで……辛かったでしょ…………忘れさせてあげる……」
そう言うと優華の腰に回していた右手をそっと自分の乳房と合わさっている優華の乳房に回した。そして、乳房に埋もれる右の乳首を指で摘んだ。
「あんっ!」
びくっと優華が震える。同時にその頬がぽおっと赤く染まり、軽くヴリッジでもするように背中が弓なった。
「……乳首……固くなってるよ……」
「……せ……先輩……ダ……あうんっ!」
真理子が乳首を弄ぶように摘み軽く引っ張るのと平行してちゅっと優華の首筋を舐めた。すると優華はそれに素直に反応した。
真理子はそばに男が4人も見ていると言う事を忘れ、若々しくまだある種未熟な後輩を味わう事に夢中になっているようだった。
一方で優華は一瞬、男達の目線を感じた。しかし、敏感になっている箇所をピンポイントで突く真理子の動きにそんな物、全く感じなくなっていった。
もう、いい。
優華の中で諦めにも似た感情が起こり、ただ先輩からもたらされる快楽に身を委ねていった。真理子は僅かに力が入っていた優華の体から完全に力が抜けるのを感じると、くすっと笑った。
「…………優華……何をしてほしい……?」
「………………」
真理子が囁くだけで優華はぴくっと軽く震えた。耳にかかる僅かな息でも体が反応している。
優華の体は全身が性感帯になっているかのようだった。
何も言わない、いや、言えない優華に真理子はまた一言囁いた。
「……じゃあ……私の好きなように……するよ……」
「…………はい」
小さく囁くように優華は返事をしてこくっと小さく頷いた。
すると真理子は優華の顔のラインをそっと舐め、右手で乳首を弄んだ。
「あんっ! んっ!」
今まで聞いた事のないような優華の甲高い声。そしてびくびくっと電流でも流されているかのような震え。その時、真理子はさっと優華の腰に手を回し、脚を立てた。
「あっ!」
そして、一気にごろんと体位を上下逆にさせた。
逆に真理子を見上げる優華。手際のいい体位の変え方に呆気に取られたような顔をしていた。
真理子はそんな優華に何も言わず、そっと首筋にキスをした。
「ああっ」
キスと共に舌の先が首筋につき、優華はそれにブーツに包まれた脚を痙攣させるようにびくっと突っ張らせる。
「……乳首、舐めるよ…………」
真理子がそう囁くとそっと顔を優華の乳房に埋めてその右乳首に口を当てた。そしてこりこりと固くなった乳首を吸った。
「あんっ! んんんんっ!」
びくびくっと体を震わせ、乳首から来る快感に優華はまた甲高い声を上げた。
優華の甲高い声を聞きながら真理子は左手を優華の左乳首に、そして右手がすすっと優華のスカートに伸びて行った。
「……ふふっ」
真理子の手が優華のスカートの中に滑り込む。パンティを脱がされ剥き出しになった秘所に指が僅かに、かすった程度に指先が触れた。
「はううううんんっ!」
床を背に仰向けになっているにも関わらず、優華は背中を弓ならせた。腰が浮き、脚が立ち、ブーツの踵が床を叩いた。
真理子はにやりと笑ったまま、口の中で乳首を転がしながら右手を開いた優華の脚に滑らせた。捲り上げられたスカートから伸びる白い優華の太腿。その内側を思わせ振りに指を滑らせて行った。
「あっ……あっ……!」
徐々に一番敏感な部分に指が近付いて行く。優華の甲高い声のボリュームがさらに上がって行った。そして、
「あんっ!」
ぐちょぐちょに濡れた優華の秘所に真理子の指が着いた。そこは粘着質の液体に塗れ、ぬるぬるしている。
「……こんなに濡れてるよ……アイツらにヤラれたから……?」
アイツら。一旦乳首から離れた真理子のその言葉に優華は怯えたようにぴくっと震えた。そして優華が震えたその時、
「あっ! あああっ!」
真理子の人差し指と中指がぬるぬるの優華の割れ目に滑り込んだ。
「簡単に入った……優華のアソコって…………ちょっと狭いのね……」
「あんっ! あっ! 先輩っ……ああっ!」
優華の中で真理子の指が蠢く。優華は髪を振り乱すように首を左右に振り、口の際から涎をこぼしだした。
今まで男達に入れられた時とは比べ物にならない気持ちよさと温もり。優華はびくっ、びくっと体を快楽に振るわせ続けた。
真理子ははあと大きく息を吐くと不意に指を優華から引き抜き、それを自分の顔のそばに持って来た。
指に着いた液体は熱を帯び、冷たい空気の中でほのかに湯気を立てていた。
そして、その液体の色は白濁し、異臭のような臭いもしていた。
「……中出しされてる……可愛そうに…………優華、忘れさせてあげるから……」
そう言うと真理子はゆっくりと腰を上げ、さっと180度回転すると顔を優華の股間に埋めた。
真理子の視界に白い液体と透明な粘着質の液体に塗れる優華の淫裂が入る。そこは優華が興奮しきっているせいか、充血したように真っ赤でここに何かを入れられるのをひたすらに待ち構えているようだった。
「……あたしみたいに……黒ずんでないのね……」
ぽつりとそう呟くと真理子は両手で割れ目をそっと開くと口を優華の淫裂に押しつけ、舌を伸ばした。
ちゅぶ、くちゅ、ぴちゃ、くちゃ…………
「あうん! あああああっ!」
これまでになく激しく優華が叫び、背中が弓なる。今自分がどこで何をされているか、それどころか自分が何者かすらも忘れてしまうような、そんな激しい衝撃が彼女の中を駆け抜けた。
今まで感じた事のない、衝撃。生まれて初めて味わう美味。まさにそんな感じだった。
「あっ! せ、先輩! あんっ! あんっ! あんっ!」
また真理子もただ者ではなかった。初めて触る優華の秘部。だがどこでわかるのか、あるいはそれを感じ取る野生的な嗅覚でも備わっているのか、優華が一番感じる場所を少しざらっとした舌で的確に舐めていたのだ。
「先輩っ! ああああっ! せ……せんぱ……いいいいっ!」
顔を真っ赤に染め、なんの理性も働かせないで優華は首を振り、ブーツの踵を地団駄踏むように床に叩き付け続けた。優華の甲高い歓声と真理子が優華を貪る淫音。それが屋上を包み、しばし時間を押し流した。
しかし、そんな一見、動きのない中で一つ動きが見えた。
「あんっ……んんっ!?」
不意に真理子の優華を舐めるペースが落ち、快楽の供給が萎んだ。僅かに我に返った優華がゆっくりと目を開けると彼女の視界にやはりスカートを捲り上げられてパンティを脱がされた真理子の秘所が入った。
黒ずみまだらに濃い毛の残るそこは男の精液と生理の血、それ以上に透明な愛液でぐちょぐちょになっていた。
わかっているでしょ。
まるでそこが優華にそう話し掛けているかのように自分の顔に近付けられていた。
優華はこくっと小さく頷くとそっと顔を上げて自分にされている感覚を伝手に両手で真理子の割れ目を開けてそこに顔を埋め、ゆっくりと舐めていった。
ちゅぷぴちゃ……
「ひいっ! いっ! いい! 優華っ! いい!」
真理子がびくっと震えて顔を上げた。
真理子の嬌声を耳にしつつ、優華は真理子の秘所を掃除するように丁寧に、そして一所懸命舐め回した。
彼女の舌には男の制液の苦味や血の鉄臭さが乗るが、全く気にならない。自分が無理矢理フェラチオをして口の中に同じ精液を出された時には吐き気がしたのに。
優華はひたすらになめ続けた。しかし、精液と血液を舐めとってもそこの濡れが解消される事はなかった。次々と新たに液体が分泌され、秘所や優華の口の周りや顔を濡らして行った。
もっとも、それは真理子の部分だけでなく、優華の部分も同じだが。
「あふっ……んあっ! い……優華ああ!」
快楽と喜びで歪む真理子。真理子はその顔で再び優華の股間に顔を埋め、ご褒美とばかりにまた舐め回し始めた。
「んふっ! んん!」
津波のような快楽に咽ぶ優華。無論、忘れずにそのお返しを舌で返す。
「んんんっ! んん!」
快楽に震える真理子。無論、忘れずにそのお返しを……。
2匹の蛇が互いの尻尾を咥え合うようなその体勢と快楽の連鎖。2人は周りどころか我を忘れてそれにどっぷりと沈んで行った。
自分たちが婦人警察官の制服を身にまとっている事も忘れて。