婦人警官 制服の為に ―婦人警官開放―
6 伐採
「桜井巡査」
地べたに座り込み、虚空を見上げる真理子に前田がしゃがんで話しかけた。彼はポケットから街金のティッシュを取り出すと白濁液にまみれた彼女の口の周りや雫として落ちた制服の上などを丁寧に拭った。
「やっぱり自慢出切るほどの腕持ってますねえ……野村のヤツ、本当に気持ち良さそうでしたよ」
そう言いながらちらっと柵に寄りかかる野村に視線を向けた。野村は余程の快感を感じたのだろう。ペニスをパンツの中に仕舞い込むのも忘れ、だらしない恍惚の表情を浮かべながらどんよりとした冬の空を見上げていた。
真理子は定まらぬ視線をちらっと前田に向けた。戸惑ったような、あるいは物欲しそうないずれにせよ婦人警官らしくない視線だった。
「もう……いいでしょ……写真を消して解放してあげて……」
「いいんですか? 半端に火が点いた状態で離されても」
「…………なんの事よ……」
「なんのって」
くすっと前田が笑うと再び真理子の制服の袂から胸に右手を滑り込ませた。
「!」
「……乳首はビンビンなままだし、体は火照ったまま……こんな発情状態で警察署に戻っちゃ怪しまれますよ」
「は、発情なんて……」
フェラチオの前の厳しい口調はなかった。前田は半端に強くまた弱いその口調に微笑み、また真理子の胸を堪能するように揉みくだし始めた。
「もう行く所まで行くしかないんですよ……もし、このまま帰しても警察署の中でオナニーして発散させるしかないんでしょ?」
「そんな事……はあ……絶対にない……んっ」
乳房、乳首をゆったりと撫で、擦り、掴む。前田の指先は真理子の溜息が出るスポットを確実に押え、それを責めていた。その度に彼女の口からは溜息が漏れ、目をキュッと閉じた。
「いいんですよ。このまま放置してあげても……」
「………………」
真理子は何も答えない。一瞬喉から出かけた言葉を無理矢理に押し込めたように。
すると前田はふっと笑い、制服の上着、シャツのボタンを次々と外し始めた。
バッ!
そして全てを外させるとそれを肌蹴させ、ブラからこぼれた両乳房や腹部を丸出しにさせた。
「やっ!」
一瞬にして真理子の頬が赤らんだ。同時に冷たい空気に曝された体が僅かに震える。
「ほら、外の風。感じるでしょ? 外の空気を体が撫でて……」
「や、やめて!」
おかしくなると感じたのか、強い真理子の口調が突然戻って来た。彼女は赤らんだ顔を前田から背け、下唇をくっと軽く噛んだ。
すると前田は顔をそっと彼女の乳房に自分の顔を近付け、固くなったその乳首に口を寄せた。
「やせ我慢はいけませんよ……野村を見てみな。あそこまで快感を露に出来るのはすばらしい事だから」
そう言うと乳首を口に入れ、歯で軽く甘噛みした。
「ひゃああっ!」
その瞬間、真理子の体に電流でも走ったかのようにびくっ、と全身が震え、甲高い声を上げてのけぞった。前田は人間と言うよりも野生の小動物のようなその声にぱっと彼女の乳首を噛むのを止めた。
「体の方は敏感になってる……してほしいんでしょ?」
「……そ……そんな…………」
真理子が言葉を濁すと前田は彼女から離れ、ちらっと優華のいる方に視線をやった。
「松永、立たせてやれ」
「へへっ。野村はあんな具合ですしね」
ニタッと笑って松永は優華から離れ真理子のそばに歩み寄った。そして彼女の両脇に腕を通すと羽交い締めにするようにして立たせた。立ち上がらされた真理子の制服は前の部分が完全に肌蹴、やや上気気味の肌を露にさせている。
「まだ踏ん切りがつかないようですねえ……ここはしっかりと……」
前田はそう言いながら真理子のスカートに手を突っ込んだ。
「! 嫌あ!」
真理子は首を横に振り、両足をぴたっと閉じて哀願するような声を上げた。前田の手は太腿を伝い、真理子の下腹部に達した。そしてぴたっと閉じられた股間に押し込むように手を入れた。
「……ん?」
「どうしました?」
「なんか固い……もしかして……」
前田は股間から手を抜き、スカートの裾を掴むとそれを一気に捲り上げるように引き上げた。
「いやああああっ!」
真理子は体をよじり、手でスカートを抑えようとしたが松永がしっかりと羽交い締めにして手を多少ばたつかせる程度しか抵抗できなかった。スカートを捲り上げられ、男達の目に露となった真理子の下半身。パンストに包み込まれた下腹部にはカットが浅く、飾りも余りない白のパンティーが穿かれていた。
「おいおい、色気ねえぞ! 婦警さん!」
それを見た吉田が囃し立てるように言う。しかし、前田はやはりなと言いたげに一つ笑い、手をスカートの裾から離した。紺色のスカートが重力に導かれて再び彼女の下半身を包む。
前田は微笑んだままで彼女に歩み寄りそのをつつっと撫でた。
「パンティと言うよりもショーツ、アンスコと言った所だ……それであそこは固い何かが入ってる……桜井巡査、もしかして生理か?」
「え? 本当か? 婦警さん」
バカにするような口調で松永が言うと頬を赤く染めたままで真理子は一つ頷いた。
「そ……そうよ……だからいくらヤルって言っても出来る訳ないのよ……」
「しかし生理中、女はいつもと違う盛り方をするって話も聞くしなあ」
そんな事関係ないぞ。前田の口調にはそんなメッセージが乗せられているようであった。前田の好奇心に満ちた視線がぶつかった真理子の顔色がさあっと青ざめる。
「ひっ! ダ、ダメよ! 生理中はセックスはしちゃ……」
「なんでだよ〜、婦警さん」
真理子を羽交い締めにする松永が軽い調子で彼女の耳元にささやいた。
「生理って事は中で出しても子供はできねえって事だろ? 安心して出来るって事じゃねえか! それに……」
そして彼はそっと真理子の耳たぶを口に含んで軽く舐めた。
「ひゃっ!」
「濡れなくても始めから濡れてるんだし……丁度いいじゃん」
「そ……!」
「……こう言うヤツもいるんだし。もうするしかないでしょう!」
そう言いながら前田は再び真理子のスカートを捲り上げて裾をベルトの中に押し込むと、パンストを掴んだ。
「やめっ、止めなさいいい! ケダモノッ!」
「なんとでも」
前田は手にかけたパンストを一気に膝下のロングブーツまで引き下ろした。そしてさらに真理子の白いパンティに手をかけ、それもパンストを下ろした所まで下ろした。
「いやああっ!」
下ろされた真理子のパンティの股間には赤く血で染まったナプキンが張り付いている。そして彼女の秘所の周りにも血がつき、下り物の匂いがただよっていた。本当に生理中である事が如実に現れている。
捲られたスカートの下、真理子の下腹部が露となり、前田は思わずぷっと吹き出した。
「どうしました?」
「いや、毛深いなあって……」
真理子の下腹部には濃い陰毛が生えている。しかしただ濃いだけではなく毛の生えた範囲が広く、股間や秘書の周り、さらには肛門の周りにまで黒く縮れた毛が生えていた。
「あはっ! 本当だ! パンティからはみ出していたから濃いんじゃねえかって思ってたけど、こんなに濃いんだ!」
真理子の肩越しに松永が彼女の陰毛が鬱蒼と生える様子を眺めながら笑った。そんな陰毛の森の手触りを確かめるようにちょいちょいと掌で撫でながら前田は一つ頷いた。
「男っ気がないから……手入れをしていなんですねえ……パンティを穿いてはみ出るんですから、男と寝る時には……」
「や……やめ……いっ!」
真理子も毛の濃い体質を気にしているのか、泣き出しそうな弱々しい声を出した。そして、僅かに涙を浮かべようとしたその時、前田が真理子の肛門の周りに生えた毛を数本、引き抜いた。そしてその毛をふっと吹き飛ばすとそっと真理子から離れ、少し離れた所にいる優華の方に向かった。
「……松永、あとは好きにすればいい」
「へへっ、余り血を見るのが好きじゃなんですねえ」
松永は真理子の羽交い締めを解いた。すると真理子は膝から力抜けたようにずるずると下がり、ぺたんと体操座りのように座り込んだ。そして彼女と向かい合うように松永もしゃがみこんだ。
「へへ……」
「お……お願い……セックスだけはやめて……」
その狼のような鋭い眼差しに真理子は男に睨まれた処女のように怯え、小さく震えた。すると松永はぴたっとくっつけた膝頭に手を入れ、彼女の脚を開かそうとした。しかし、真理子は膝頭を合わせて足を開こうとしない。
「ん? ヤらなきゃ他に何でもしていいの?」
「…………」
真理子沈黙。彼女の言い方だとセックスをしないなら何をされてもいいと言っているような物である。
真理子は言葉を失い、僅かに口を開けて生気を失った目で松永を見つめた。そんな視線に松永はぷっと吹き出した。
「そうだよな……フェラテク披露したんだから大概の事をされても……」
「……わ、分かったわ……何をすればいいの……」
意を決したのか、真理子がぽつりと言葉を漏らした。生理中の体にされるのとフェラチオ。二つを天秤にかけた結果が出たようである。
松永は小さく笑って一つ頷いた。
「そうか、そうこなくちゃ……んじゃ……」
松永はそっと手を後ろに回し、ズボンの尻ポケットに入っている何かを取り出した。
「その森、刈らせてくれよ。前田さんがブーツ好きなように俺も女の毛を剃るのが好きなもんでね」
松永の手にある物、それはシェービングクリームとT字型の安全剃刀だった。
「やっ……そんな……」
「ヤッてもいいんだぜ〜。さ、足を広げて毛をこっちに向けろ」
松永はシェービングクリームのキャップを外し、剃刀のカバーも外して真理子の動きを待った。彼女はしばらく固まったように動かなくなって考えたが、考えるだけ無駄と悟ったか恐る恐る下腹部を松永の方に向け、ゆっくりと脚を曲げたまま広げていった。
「へへへ、本当、濃いなあ……ぼーぼーだぜ」
M字に開脚された膝と膝の間に松永は身を乗り出した。そして彼女の密林の上にクリームの雪をしゅるしゅるとつけていった。
「んっ」
その冷たさに真理子は短い声を上げ、ぴくっと体を振るわせた。
「敏感になってんだな、婦警さん……」
陰毛の森の上に乗せられたシェービングクリームを松永はゆっくりと全体に擦り付けていく。こんもりとした陰毛がクリームによって濡らされ、寝かされた。
「へへへ……さっそく……」
松永がクリームに塗れた真理子の陰毛に剃刀の刃を立てようとしたその時、
「……あ、ちょっと待てよ」
急にその手を止めた。そして肩越しに自分の背後に目をやった。
「前田さん、優華ちゃんに剃らせたら……面白いんじゃないです?」
「お、それは面白い。よく思い付いた」
前田は松永の言葉にニヤッと笑い、そばにいる優華を見た。
「やるかい? 変態先輩婦警の毛剃り」
「え……あ…………」
急に言われたとんでもない事に優華は混線でもしたかのように口をかくっと開けて戸惑った。
「やれよ! 婦警さん!」
彼女の背後に立つ吉田がはやす。彼は優華の手を離し、完全な自由を与えた。
「わ、私は…………そんな……」
優華の肩が震え、途方に暮れるように立ち尽くした。前田はそっと彼女の肩に手をやり、軽く後ろから真理子の方に押した。
「滅多にないチャンスだよ」
前田に押されて優華はロングブーツの踵を不規則に鳴らしながら足を開いた真理子のそばに歩かされた。
「はい、剃刀」
松永は歩み寄ってきた優華に剃刀の柄を差し出した。剃刀を前に優華はちらっと真理子の顔を見た。真理子は動揺と緊張で息が乱れ、うっすら目に涙が浮かんでいる。
真理子の顔を見つめて固まる優華の腕を前田が取った。
「先輩も何も言わないみたいですし……ほら」
前田に取られた手に剃刀が置かれる。優華はそれを握ると真理子の下腹部の前にしゃがんだ。優華の細い喉が生唾を飲んでごくっと僅かに鳴り、蠢く。震える手で剃刀の刃を陰毛の生え際に立てた。
ゾリ……ゾリゾリ……
毛が根本で刈られる音と共に刃に剃られた縮れ毛が付着していった。
「ああ……」
剃刀の刃が微妙に肌に触れる感覚、刃の冷たさやこそばしさが真理子の敏感になった体を走る。それを現すように真理子はぴくっと一瞬体を震わせて天を仰いだ。
「へへへ……」
「いいぞ!」
「ぼーぼー婦警さんが小学生に戻っていくんだなあ」
松永、吉田、前田の視線を集め、おぼつかぬ手で真理子の陰毛を優華は剃っていった。
優華の表情は後悔や自責の念に駆られるような寂しげな物ではなく、きゅっと口を真一文字に締め、無表情でただ剃刀と陰毛の一点を見つめていた。
その顔は必死に何かを堪えているような、無理矢理に作られた無表情のように見えた。
「……はあ」
毛が剃刀に多く付き、剃りにくくなると優華はそっと刃を真理子の肌から外した。その瞬間、何かから解き放たれたような溜息が優華の口からこぼれた。
「……久保寺巡査、興奮していません?」
「!」
溜息の瞬間、前田が優華の耳元で囁いた。すると優華はびくっと驚いたように肩を振るわせ、頬を赤く染めて前田を見た。
「そ、そんな訳ありません! せ、先輩の……」
「本当はやりたかったんじゃないんです? 全然抵抗しなかったし……」
「それは……先輩をこれ以上酷い目に遭わせたくはなかったから……」
「ふーん……まあ、いいか。まだ途中ですよ」
前田は剃刀を受け取り、ポケットティッシュで剃刀に付いた刃を拭うと、再び剃刀を手渡した。
「じゃ、続きをまだまだ楽しめますよ」
「楽しむって……」
優華の視線が剃りかけの真理子の陰毛に向く。優華はすうっと息を一つ鼻から吸い、そっと目を閉じて空を見上げた。そして再び一つ頷くと、刃を真理子の肌に当てた。
ゾリゾリ……
集中した様子で優華は真理子の陰毛を剃っていく。
「…………」
真理子はM字に開脚したままで後輩に剃られる陰毛を黙って見ていた。
「いい後輩を持ったな」
そんな真理子に松永がニヤニヤしながら話し掛けた。
「他人の陰毛を剃るって……先輩後輩の間でもできねえよ、こんな事」
「……あ、あなた達が脅して……」
「脅していねえよ」
「え」
驚いたのか、ちらっと松永に視線を送った。彼女の視線を感じながら松永はにやついたままで優華を見た。
「俺はただ剃刀を手渡しただけ。まあ、前田さんが手伝ってそれを手渡しさせたけど、俺や前田さんは『剃らないとどうこうする』って一言もいってないぜ。だから……」
松永は愕然とした様子で優華を見る真理子に再び視線を向けた。
「自分から進んでしてるんだぜ、きっと。ひょっとしたら先輩の毛を剃ったり、いじられる所を見たら興奮する性質なんじゃねえか? 優華ちゃんって」
優華は口を真一文字に閉め、黙って僅かに震える手で真理子の陰毛を剃り続けた。
真理子の肌には剃刀が当る冷たさやくすぐったさと一緒になぜか優華の少し強い鼻息もかかり始めた。
「優華…………」
そんな優華を真理子は呆然と見つめていた。毛を剃る彼女の頬が僅かに高潮しているように真理子には見えた。