婦人警官 制服の為に ―婦人警官開放―
5 解体
「……さてと」
前田は舌を真理子の口から抜き、唇を離した。その瞬間、半開きになった真理子の口から溜息のような息がこぼれる。
彼はふっと笑いながら真理子の顔を愛しそうに撫でた。
「桜井巡査は……フェラチオが得意でしたね?」
「…………」
前田の問い掛けに真理子は口をつぐみ何も答えない。すると彼は顔を撫でる手を再び制服の袂から中に滑り込ませた。
「!」
だがそのままシャツの上から乳房を撫でるのではなく、素早くシャツの第3ボタンを外し、一気にシャツの中に手を滑り込ませた。
「やっ!」
短い声が真理子の喉の奥から反射的に飛ぶ。前田は小さく笑いながらブラの上に手を置き、ゆっくりと深く撫で始めた。
前田の手にブラのレースの凹凸が当り、シャツの上から擦るのとは違った感覚が手のひらに伝わる。
「やめ……なさい……手を……」
「質問には答えましょう。フェラチオが得意でしたよねえ?」
「………………」
真理子は目を閉じ、キュッと下唇を噛んで質問に答えない事を態度で示した。
「素直じゃないですね……」
頑なに抵抗を試みる真理子。前田は悪戯っぽく笑ったままで彼女のブラに包まれた乳房の形が変わるほど強く揉んだ。
「……くっ、やめなさい……やめるのよ……」
「…………服の上から胸を揉む位じゃ物足りないんですか? わがままですねえ」
「そんな訳……」
真理子が口答えをしようとしたその時、不意に前田の手の動きが変わった。彼の手はブラの上からいきなりその中に滑り込まされ、彼女の乳房を直に触り出した。
「ひっ! やめなさい! 手を抜きなさい!」
真理子は体を曲げたりよじったりして手がこれ以上勝手な動きをしないようにした。しかし、背後からがっちりと野村の腕が彼女を拘束し、思ったようには動けない。
「……見た目以上にいい胸してるんですねえ」
そんな真理子の体を這い回る前田の手が柔らかいが弾力のある彼女の乳房を軽く、握った。前田に胸を直接触られて緊張しているのか、あるいは興奮しているのか、人肌よりも少々高い温もりが手に伝わった。
「感触もなかなか……大きいだけじゃ白ける事もある……手触りや形や……」
「やめなさい! やめるのよ!」
手のこれ以上の侵入を防ごうとしているのか、真理子は顎を引いて胸元にぴたっと合わせた。そんな状態で前田を睨んでいた。
しかし、前田の手はそれに気にする事なく、ブラの中で好き勝手に動き、真理子の乳房を堪能していた。
「……そうそう、あなたの後輩もいい胸してましたよ。形や手触りや……」
「ゆ……優華……?」
ちらっと真理子はそばに立っている優華を見た。優華は松永と吉田に拘束はされているが何もされていないように見える。しかし、自分からは見えないヒップや背中どうなっているかは勿論分からない。
ただ、彼女はなんともないように表情は硬まり、じっと胸をいじられる真理子の姿を見つめていた。
真理子はごくっと生唾を飲み込み、自分の体温が体の中から上昇していく感覚を覚えた。
「……また……あの胸をぎゅっと鷲掴みにしたいなあ……なんだか桜井巡査のを触ってたらそう言う気分に……」
独り言、しかし真理子には充分に聞こえるように前田が呟く。真理子ははっとして前田に視線を送り、体を曲げたりよじる動きを弱めた。
「ゆ、優華には手を出さないで……私だけで……充分でしょ……」
「充分と言えるだけの胸……でしょうかね」
そう言うと彼の手が狙ったように豊満で弾力のあるその感触とは違う物を捕らえた。それは乳房よりも固く、ソラマメのように小さく、丸くこりこりした物――。
「……乳首がこんなに固くなってる……感じてないとかやめろとか言ってるのに……」
にやっと笑いながら弄くるそれは乳首だった。前田は人差し指で真理子の乳首をマウスを弄ぶように撫でた。
「ひゃっ!」
びくっと、真理子の背中が一瞬、震えて顎が上がった。そんな反応を見て楽しむように前田はそっとその耳元に口を寄せた。
「そんなにいいんですか」
「そ、それはあなたが触ったりしたから勝手に……」
「いやいや……桜井巡査が外で胸を揉まれたから体が感じてるんですよ……本当、外で燃える人なんですねえ」
「ち、違う……違う……」
耳元で真理子が生理的な反射ではなく性的興奮を感じて固くなっている事を囁き続けた。真理子はそれを必死に否定しようと首を弱々しく左右に振った。
前田はそんな真理子の反応を小さく笑いながら見ると、人差し指だけで弄くっていた乳首に中指も伸ばし、それを優しく挟み込んだ。
「んっ!」
「ほら、こんなに固くてこりこり……そっか、外の上に後輩にも見られてるから……」
「ち……ちが……んっ!」
真理子が否定の言葉を言おうとすると前田の指が少し強く彼女の乳首を摘んだ。真理子の喉の奥から自分の声とは思えないような声が弾き出された。さらに前田は人差し指と薬指で乳首を挟み込むと、中指でその先端を優しく撫でた。
「はああっ……い、嫌だ……」
前田の指で真理子の中の性的興奮が高められていく。
婦人警官の制服を着た瞬間、それは忘れなければならない物。抑えなければならない物である。過去の不倫でそれは痛いほどわかっているはず。なのに。
的確にピンポイントで彼女のスイッチを探り、入れようとする機械のような前田の指で真理子は徐々にだが、何かを忘れようとしていた。
前田は真理子の表情や口の動きをじっと観察すると、不意に乳首をいじるのを止め、さっと手を胸から抜いた。
「はあ……」
真理子の口から安堵とも残念ともつかぬようなため息がこぼれた。
「じゃ、そろそろしてもらいましょうか……フェラチオ。体も温まったみたいですし」
「……そ、そんな事……」
「じゃ、久保寺巡査にしてもらいましょう。あの素人っぽいところも……」
あんたがダメなら他がいる。
そんな事をいいたげな一言。真理子はきゅっと悔しそうに下唇を噛んだ。
「わ……分かったわ……」
「ヤッてるうちによくなりますよ……野村」
前田が言うと野村はこくっと首を縦に振り、さっと彼女の拘束を解いた。一応の自由にはなったが優華を抑えられたままで真の自由とは言えない。真理子は優華を助けようと動く事なく、棒立ちのままでその場に立ち尽くしていた。
「野村、お疲れさま。お前からすればいい」
「は、はい……」
野村の顔がだらしなく緩む。そしてズボンに手を伸ばすとそのチャックを下ろした。
「じゃ、桜井巡査はこの野村をイかせてください……結構大きいから顎が大変かも知れませんが」
そう言うと前田は彼女の肩を掴み、自分の膝で彼女の膝を押して折らせた。
「あっ」
不意の動きに真理子はその場にひざまづいた。丁度、顔が野村の股間辺りに来ている。それと同時に野村の肉棒がズボンから顔を出した。
大きな蛇の頭のようで、色も茶がかったどす黒いと言う醜悪その物なその外見にむんと息苦しいほどの匂い。
真理子はその外見に思わず目を背けた。しかし、臭いにはなぜか拒絶の反応はなく、なぜか口の中に唾が溢れてきた。そしてそれを気を確かに持とうとするようにごくっと呑みこんだ。
「じ、じゃ、頼むんだ……」
「ちょっと待て」
野村が小便をするように肉棒に手を添えたその時、前田がストップをかけた。
「どうせだ、その柵のそばでしよう」
そう言うとポケットからデジカメを取り出してその方向を指差した。
野村は前田に言われたように真理子をその柵のそばに連れて行き、再び肉棒を真理子に差し向けた。
「さ、さあ、するんだな」
真理子はちらっと柵の外を見た。するとビルの屋上からの景色を見て野外と言う事を再認識したのだろうか、急に胸の鼓動が早くなり、かあっと興奮したように体温が体の芯から上がった。
そして、何も考えられない頭の中で過去の野外や交番、パトカーの中でのSEXがフラッシュバックのように浮かんで来た。
なぜかは分からないが、あの時の興奮が自分を包んできている。
そんな自分の内面に気付くと、真理子は両手をそっと野村の足に回し、目を閉じるとゆっくりと口を開け、唾で濡れる口の中に野村の肉棒の先端を含んだ。先端だけでもなかなかの太さがある。
口の中に含むと真理子の舌の先がその先端を満遍なく舐め始めた。
「う……な、なかなかいいんだな……」
にたあっと野村の顔が緩む。目を閉じ、太いキャンディを舐めるような真理子の横顔を前田がデジカメで収めて行った。
「美味そうにしゃぶるな……本当に得意みたいだ」
「う、上手いんだな……裏もしっかり舐めるんだな」
野村が自分の意思を伝えようとするようにぽん、と軽く真理子の制帽を叩いた。真理子は口の中で飴玉を転がすように舌を巧みに動かし、肉棒の裏側も舐めた。
チュ、チュチュ、ピチャピチャ……
塞がれた真理子の口の中からくぐもったそんな音が聞こえてきた。どんどんと唾が溢れ、野村の肉棒の先端を濡らし、そして口内の体温でほんのり暖められていく。
「……どうだ、野村?」
「い、いいんだな……何だか風俗女みたいに……」
「それくらいのテクか……よっぽどやってたんだなあ」
真理子の耳にこの好き勝手に言われている事は勿論、聞こえている。しかしそれらを否定する術はない。
口は肉棒で一杯に塞がれて言葉はだせない。首も左右に振る事はできない。それどころか自分の技術が上手い事は今、咥えられている野村の顔を見れば一目瞭然。
そして、今の真理子は野村の肉棒をしゃぶり、舐める事に精一杯で他の事に気がまわってはいなかった。
口に入れたその瞬間、匂いやしょっぱさで不快に感じた。しかし、一度口に入れると唾がどんどんと溢れ、それを舐めてしゃぶる事に没頭するようになった。何かの条件反射のように。
真理子の口の中で野村の肉棒の先端から一際しょっぱさが強い液が溢れ、唾と混ざり合い、それをごくっと飲み込んだ。
「ん……んん……」
「そんなに野村のアレが美味いのか」
ふふっと笑いながら恍惚としたような表情でひたすらにしゃぶる真理子の顔にデジカメを向けていた。
「そ、そろそろ奥まで舐めるんだな」
その時、野村の手が真理子の後頭部に添えられぐっと押しこんだ。
ブチュッ!
真理子の口の中へ一気に肉棒が押しこまれ、制帽の鍔が野村の下半身に当り、弾かれるように制帽が頭から脱げ落ちた。奥まで差し込まれた彼女の口は肉棒で一杯になり、口の隙間から涎が漏れ、つつっと顎へ垂れていった。
もちろん、それも前田はデジカメに収めている。
真理子はそんな唾が垂れると言うだらしない状況にも関わらず、気にする事なく野村の肉棒をしゃぶり、舐め回していた。特にその裏側を入念に舐めた。
それは今までの男が例外なくそれで喜んでくれたからだった。野村達を喜ばせようとは思っていなかった。だが、勝手にそう言う風に口が、舌が動いてしまう。
「う……うう……き、気持ちいいんだな……」
「技術を持つ人間が夢中で真剣にヤッてるんだ。気持ち良くて当たり前だ」
前田は床に落ちた制帽を拾い上げると野村の体に当らないよう、真理子の頭にあみだ被りで被らせた。
「これを被ってもらわないとな」
被らせるとまたその顔をデジカメに収めた。
「ん、ん、ん……」
真理子はくぐもった声で顔を前後に動かし、当然、口の中では舌も動かして野村の肉棒を刺激させ続けた。
「う、うう……」
野村の表情が緩み、声も少し上ずり出した。
「気持ちいいのか?」
「で、出るかもしれないんだな……出たらち、ちゃんと飲むんだな」
「おいおい、早くないか、いつもより……まあ、それだけの事をしてる、って事か」
野村の手も真理子の後頭部を押さえて彼女を激しく前後に動かした。
ジュプ、チュパ、グチュ!
彼女の口からは声ではなく淫靡な音が漏れる。彼女の口の中で一杯に膨れあがった肉棒が、真理子の唾に濡れ、その舌や口全体で刺激を加えて奏でる音であった。
「い、いいんだな……いい……」
野村は肉棒からの快楽的な感覚を全身に回してその中に浸りきっているようであった。そして、終結まで近い事をその顔で現していた。
「ほら、よーく見ろ。先輩のテクニックを盗むんだ」
真理子のそばで松永が優華の耳元でそんな事を囁いていた。
尊敬していた先輩が男の肉棒に貪り付いてる。
とても信じられない光景であったが、優華の心に「やっぱり」と妙に納得した部分もあった。今まで信じられなかった真理子の変態的な性癖。その一端を見せられたように感じたからだった。そしてそんな彼女から目を背ける事ができない、ずっと見ていたいと言う欲求も出ていた。
「ああ言う風にしゃぶって……男に奉仕すればどんなヤツでもイチコロなんだぞ!」
松永の説明に吉田が続く。優華は何の反応も見せずにただじっと真理子の姿を見ていた。
そんな優華に吉田は少しムッとする物を感じたのか、ぐっと彼女の腕を掴んだ。
「聞いて……」
「まあ、吉田。優華ちゃんは興味深々で先輩の技を見ているんだ。これもお勉強だ」
冗談ぽく松永が吉田をなだめた。
そんな二人の会話も聞かずに優華はただ黙って真理子を見つめていた。可哀想とか許せないと言った感情は相変わらず全く起きず、じっと、ただじっと見つめていた。
普段見られないような真理子の表情、姿。尊敬していた先輩の痴態に目が釘付けになっていた。
その眼差しは面白い番組を夢中で見る子供のような単純でとても澄んだ物だった。
「……はあ」
その時、彼女の口から溜息が一つ、漏れた。
「ん? どうしたの? 優華ちゃん、溜息なんかついて」
それに気付いた松永が軽い調子でそう訊いた。しかし、優華は何の返事もせずに軽く首を横に振った。
「……そうか、なんでもねえんだな。てっきり先輩がレイプされる様子に興奮したんかと思った」
「自分の先輩がレイプされてるのを見て感じるって、それは変態だぞ!」
楽しそうに吉田が続く。
優華はそんな二人の声を聞き、真理子を見つめながら二人に気付かれないよう静かに呟いた。
「先輩……ごめんなさい…………」
(……本当、好き物だなあ……)
前田はそれから何枚もデジカメでこの様子を取り続けた。野村が果てるまで夢中でシャッターを切った。
そんな何枚写したかわからない写真。液晶画面で一枚一枚確認して見ると、最初は拒んでいたが、次第に崩されていき、最終的には婦人警官の制服姿で一心不乱に野村にフェラチオを奉仕する真理子の顔が時間を追って撮られていた。
さらにそんな先輩の姿じっと無表情で見つめる優華の姿が何枚も残されていた。
それらを追うと異なるタイプの婦人警官が異なる手法で崩れていく様が手に撮るように時系列で見られた。
前田は一人の人間を手の中に入れたような征服感を感じていた。
(……まあ、まだこれから増えるんだしな……)
ふっと前田は一つ笑うと再びデジカメを撮影できるように合わせ、レンズを一方に向けた。
液晶画面には疲れたように口をぽかんと開け、瞳から涙を、口の際からよだれと白い液体を垂らして空を見上げる婦人警官、真理子の姿が映った。
そして、彼女の背後には錆びた鉄柵とその奥に警察署の建物も映っていた。
(……袖の腕章も空しいもんだな)
前田はさらに彼女の左腕に付いている「防犯」と書かれた腕章も映るようなアングルでしゃがみこんでデジカメのシャッターを押し込んだ。