婦人警官 制服の為に ―婦人警官開放―

2 前戯


 真理子と優華は男4人に連れられてゆっくりと階段を登らされた。
 窓がなく、電気の光もない階段は薄暗く、床に張られたシートが捲れた上にゴミも散乱していてかなり歩き難かった。

「……どこにいくの」

 そんな歩き難い階段を上がりながら前を行く吉田に真理子が尋ねた。すると吉田は肩口に振り向き、その爬虫類のような細長い目を真理子に向けた。

「最上階。でも、関係あるのはあんたじゃなく、優華ちゃんの方だ!」
「な……優華に何をする気!」

 思わず真理子はその手で前を行く吉田の腕を掴み、警察官らしい強く厳しい口調で問い詰めた。
 するとその手を真理子のそばを歩いていた前田が左手でがしっと掴んだ。

「そんな悪い事はしませんよ。痛い目には遭わせませんから」

 そう言いながら右手にダブルクリップを開閉させながら悪戯っぽく言った。

「本当? 本当にあの子には……」
「ご安心を。全て桜井巡査には見てもらいますから」

 前田がそう言ったその時、優華の肩がびくっと怯えたように震えた。そんな優華の耳元にそっと松永が顔を近づけてささやいた。

「見てくれるんだとよ。本当、優華ちゃんの先輩って面倒見のいい、いい先輩だなあ」
「…………」

 優華は何も言わず、俯いた。真理子が自分の方を見たような気がしたが、とてもその顔を正視する事ができなかった。
 真理子と優華はそのまま階段を上がり、最上階の3階に着いた。

「こっちだぞ」

 吉田はにやにやしながら真理子と優華を廊下に導き、薄暗いその奥へと誘った。
 3階は1階や2階にあった店の店員の寄宿舎となっていたのか、安アパートのように同じようなドアが等間隔に並んでいた。
 そしてその奥に朽ちたドアが一つあった。

「……な……何を……」

 奥に行くにつれて暗さが増し、いつも強気な真理子もさすがに不安げな表情を浮かべた。吉田は廊下の突き当たりにあるドアの前に立つとそのドアノブに手をかけた。

「ここだ……」

 吉田は力いっぱい握ったドアノブを引いた。しかしドアは開く事はなく、それどころかドアノブが「ばこっ」と言う音と共に外れてしまった。

「腐ってんのか! じゃ、こうだ!」

 そう言いながら吉田は踏み付けるようにドアへ蹴りを一発入れた。

 バキッ! メキメキ!

 ドアは朽ち果てていたらしく、いとも簡単に蝶番ごと外れ、壊された。
 外れたドアの向こうにある物、それはくすんだ白い洋式の便器だった。

「女子トイレ……あったんだよなあ。昨日、あんな事しなくても良かったみてえだな」

 洋式便器を見た松永がふざけた口調でそう言い、そっと優華のヒップに手を回して撫でた。優華は思わず顔をしかめて俯いてしまった。

「! やめて! 優華に恥ずかしい事は!」

 便器を見た真理子ははっとし、前田に請うような眼差しを向けて彼をがしっと掴んで頼み込んだ。昨日、優華が立ちションをさせられた光景がフラッシュバックのように目の前に浮かんだのだ。
 前田は真理子に揺らされながらふふっと小さく笑った。

「恥ずかしい事? トイレが?」

 そう言うと前田はちらっと優華のそばにいる松永に視線を向けた。

「へへっ、まかせてください」

 そう言うと片手で優華の両手首を握って拘束させるとぐいっと手を上に上げさせた。そしてくるっと壁の方向に体を向けさせた。

「きゃっ! や、やめて!」

 ついに手を付けられたと、思わず優華は弱々しい声を上げた。それは弱った子猫のような、悲しげで絶望的な声だった。

「やめなさい!」

 そんな松永を止めようと真理子が飛びかかろうとした。しかし、突然右の二の腕を何か強い力に掴まれた。

「か、勝手に動くんじゃないんだな」

 それは野村の手だった。野村はぐっと真理子の筋肉質の、しかし女性らしい腕を掴んで離さなかった。

「離しなさい!」
「ま、まだ暴れるんだな……じゃ、離すんだな」

 振りほどこうと腕を振る真理子に吉田は掴んだ腕をぶん、と投げるように振り捨てた。

 ドッ!

「キャッ!」
「せ、先輩!」

 真理子は軽々と飛ばされて一度、壁に背中を叩きつけられ、床に倒れこんだ。

「うっ……」

 強く体を打ち付けられたせいか、真理子の整った顔が歪んだ。するとそんな倒れこんだ真理子を野村は彼女のネクタイの結び目を左手で掴んで引き起こすと、右手を振り上げた。

 パシッ! パシッ!

 そしてその手が真理子の両頬を叩いた。バカ力の野村の平手打ちで真理子の顔が左右に大きく振れる。

「や、やめてください!」

 そんな真理子に優華が悲鳴のような声を上げた。前田が平手打ちをするのならばまだ手加減や計算が働くだろうが、野村だったらこのまま何をするか。
 男4人と付き合って得た経験による学習が優華に危険信号を発したのだ。

「野村、やめろ」

 優華の言葉に前田がすぐに反応し、低くはっきりとした声で短くそう言った。すると飼い主に従順な犬のように野村は言われた通りにぴたっと手を上げるのをやめた。
 それを確認した前田はそっと優華に歩み寄った。

「じゃ、俺達の言う通りにしてください。なあに、久保寺巡査は痛い目に遭わないようにしますし……わかりました?」
「…………」

 優華は返事をせず、前田から視線をそらすように俯いた。すると前田は彼女の顎に手をかけ、ぐいっと自分の方に向けさせた。

「返事が出来ないようですねえ……じゃ、行動で示してください」

 そう言うとそっと顔を優華に近づけた。

「歯を立てるな」

 そしてそう命令すると一気に彼女の唇に自分の唇を重ね合わせた。

「ん……んんっ!」

 優華は苦しそうに目をきゅっと閉じて体をよじった。優華の口に前田の舌が潜り込み、もがくように動く彼女の舌に絡められた。本当は歯を食いしばって前田の舌の進入を防ぎたい。しかし、野村につかまれたまま、床に倒れこんでいる真理子がそばにいる。
 何も出来ない。前田のなすがままでいるしかないのだ。
 前田は優華の口の中を味わうように舌を動かし、「ちゅばちゅば」と彼女の唾液を吸いだすように軽く吸った。

「んんん…………んっ……」

 後輩が無理やり唇を奪われる様を真理子は見せ付けられていた。顔をそむけたかったが、野村がその方を向くように顔を拘束していた。
 前田はじっくりと優華の若い唇を堪能するとすっと顔から離れた。

「んあっ……はあ……はあ……」

 優華は口を半開きにして荒く肩で息をした。
 体内に入り込んだ淀み、薄汚れた空気を吐き出し、きれいで新鮮な空気を取り込もうとするように。
 そんな優華を可愛らしいとでも思ったのか、前田は愛しそうにその口元を見つめた。
 そして、ちらっと真理子に一度視線を送ると口元に軽い笑みを浮かべた。

「久保寺巡査もわかったようで……吉田、松永、続けよう」

 前田は優華から離れて真理子へと歩み寄っていった。

「へへっ、前田さんってキス魔でもあるんですか」

 優華の両手を抑える松永が悪戯っぽく言うと、前田は何も言わずにふっと一つ笑った。
 そんな前田の後姿を見た松永は左手で器用に優華のスカートのベルトを握った。

「今はこれは邪魔だな」

 そう言うとベルトのバックルを緩め、そのままスカートのホックを外した。

「いやあっ!」

 優華は思わず腰を振って抵抗をした。しかし、それで逆にスカートが緩み、すとんと腰から外れて足元に落ちた。
 男達の目の前に白いパンティとライトブラウンのパンスト、さらにそれを履くすらっとした優華の足が現れた。

「……これも邪魔だぞ!」

 優華の背後にいた吉田は、しゃがみこんで優華の右足に履かれたロングブーツをぽんと叩いた。
 そしてブーツのジッパーを一気に引き下ろし、彼女の脚からブーツを引き脱がせてぽいと真理子と前田の方に放り投げた。

「やめて! やめてっ! 優華に……優華に手を出さないでっ!」

 真理子は何度もやめさせようと動こうとしたが、野村が抑え付けてそれも叶わない。
 ただ制止を促すように金切り声を上げるだけだった。

「…………」

 前田は脱がされ、放り投げられたブーツを見る。
 ジッパーが開き、くたっとした合皮のロングブーツ。
 それを掴むとまだ残る温もりを楽しむようにその革を撫でまわし、そっと革や中の臭いを嗅ぎ始めた。

「何やってるのよ! 変態!」

 優華を助けられないイライラからか、真理子が吐き捨てるように前田に言葉をぶつける。
 すると前田は嬉しそうにふふっと微笑んだ。

「変態……露出狂の変態婦警には言われたくはない」

 前田はそう言うとブーツを愛しそうに撫で、ちゅっと一つ口付けをして笑った。
 真理子は悔しそうに歯を食いしばり、前田を睨むだけでそれ以上は何も言えなかった。
 その頃、優華は吉田によってパンストもひき下ろされ、ブーツを脱がされた右足だけパンストを脱がせられた。
 優華のすらっとした右足がヒップから足の先まで露になる。

「いやあっ! やめてください! お願い!」

 冬の少し冷たい空気が肌を撫で、優華は過去の記憶が蘇った。スカートを脱がされ、パンティも下ろされて、そのあとにされる事は――。
 優華の口から思わず出た哀願の声に松永や吉田は苦笑いを浮かべた。

「ここまできて止めるのはなあ……」
「半端だぞ!」

 吉田がそう言うと優華の白いパンティに手をかけ、一気に引き下ろした。

「やああっ!」
「右足を上げろ!」

 吉田に右足を抱えられるように上げられ、そのままパンティを抜けさせた。

「……なんて言うか……半端で無残だなあ」

 前田は苦笑しながら優華の様子を見た。左足にはロングブーツ、膝まで下ろされたパンストとパンティ、右足は何もなし。
 まさにレイプされた後の女、そんな感じのする下半身だった。
 吉田はにやっと笑うと床に置いてあるボストンバックを開けて中を取り出した。

「ひっ!」

 吉田が中から取り出した物を肩越しに見た優華は顔を引きつらせた。
 吉田が手にした物、それは巨大な注射器のようなガラス製の筒とピストン、浣腸器だった。そしてさらにバックの中から2リットルの牛乳パックも取り出した。

「や……やめて! そんな……!」

 優華は首を横に振って目に涙を浮かべて言った。

「言ったはずだぜ。イチヂクじゃねえって」

 優華の耳元で松永が囁いた。
 確かにイチヂク浣腸ではない。しかしそれ以上の物を用意していたのだ。
 吉田は牛乳パックを開け、浣腸器でそれを吸い上げ始めた。

「たっぷり入れてやる!」

 浣腸器の中に牛乳の白い液体が吸い上げられる。牛乳が浣腸器に入っていく様子を吉田は楽しそうに微笑んで見ながら入れていた。

「あ……ああ……い……いや……いやだ……」

 あんなのを入れられるの?
 みんなの前で、先輩の目の前で……
 優華の制服に包まれた丸い肩が小刻みに震えた。

「や、やめなさい! 優華にそんな事! 私が代わりに!」

 牛乳に満たされる浣腸器を見て真理子が叫びながら前田に訴えた。
 すると前田は手にしていた優華のロングブーツを置き、しゃがんで真理子の顔を見た。

「だから言ったでしょ? こればっかりは代わりようがないって……腹の中に何もなきゃアレをしたって意味ないでしょ」

   
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