初めてのロングブーツ
あれは冬のある日の事。
後輩の女の子から相談があると言われた。
多分に恋愛相談。
しかし、半分はノロケに近いような相談である事はわかりきっていた。
余り乗り気はしなかったが、酒でも飲みながらと言う事だったので休みの日に付き合う事にした。
その日、待ち合わせ場所に来た彼女を見てはっとし、足下に釘付けになった。
彼女の脚は黒い編み上げのロングブーツが履かれていたのだ。はっきり言って彼女は美人とは言えないし、美脚とも言えない。性格はいい方だが。
しかし、その脚にロングブーツが履かれているだけで胸が高鳴り、息が乱れた。
そばにいる女性でロングブーツを履く女の子はおらず、履く女の子がいると言うだけで興奮 をしたのかもしれない。
興奮は正直に体に反応していた。ジーンズの下はかなりの圧迫感を感じるほどに膨れ上がっていた。
二人で居酒屋に向かう。その間も断続的に視線は彼女のロングブーツに向かっていた。
フェイクのそのブーツは歩く度に足首に皺が寄って別の生き物のように動いた。夕暮れ時の薄ぼんやりした光に革が反射してこれ以上なく淫らに輝いた。
触りたい。舐めたい。押し付けたい。そこへ出したい。
そんな事を思いながらも理性の堰がそれを押し留めて彼女と一緒に歩いた。
居酒屋に着くと安酒を煽りながら「相談事」と言う名のノロケを聞いた。
酒も入って彼女は上機嫌に喋り続けた。しかし、そんな事聞いていない。彼女の視線が背けられた時、トイレに席を立つ時。チャンスがあれば彼女のロングブーツを見ていた。
だが、その時まだ彼女も自分も気付いてはいなかった。
調子よく飲んでいた酒が自分の理性の堰を徐々に崩していた事を。
飲み終わり、酔い覚ましに夜の公園を歩いた。
白い街灯に輝くロングブーツ。もう何時間もロングブーツの女の子がそばにいる。頭の奥で生み出される欲求は凄まじい欲望となり自分を押し流そうとした。
先輩として先輩然とした姿を見せなければ行けない。ノロケとは言え相談事をしてきた後輩に頼り甲斐のありそうな態度をとらねばならない。
そんな冷静な考え、理性などもう。
公園のトイレのそばに来た瞬間、全てが流された。
彼女を突然、抱きかかえてトイレの建物の脇へと引きずり込んだ。
彼女は相当に驚いたからか悲鳴一つあげない。それどころか「止めて」の一言もない。トイレの裏に引きずり込むと彼女を押し倒した。
ここで初めて抵抗らしい抵抗を見せた。だがそれは手ではなく、脚で。ロングブーツが皺を寄せ、僅かに輝いて動くその様でより興奮は高まった。
彼女をうつ伏せにさせる、ロングブーツに包まれた脹脛からアキレス腱、踵が見える。脹脛を撫でる。柔らかで、しかし固い革の感触が手から伝わる。もうダメだった。
ジーンズからいきり立ち、ぬらぬらに濡れた棒を抜き出し、その右足に擦りつけた。ぬるっと滑ると同時にひやっとした冷たさが走った。棒は正直にびくっと反応した。
まるで100mを全力で走ったように息を乱しながら彼女の脹脛を舐めていた。左手で革の感触を感じ。口で革を味わい、右手は棒を扱いている。
夢中だった。
今までは見るしかなかったロングブーツ。それをこの手と口で味わっている。想像でしかなかったオナニーのグッズ。それがいま現実に。
この脚が後輩の脚だと、しかも彼氏のいる女の子の脚だなどもう欠片も考えられなかった。後輩の視線など感じていない。と、言うよりも感じようとはしなかった。
そんな物を感じて遠慮などしていたら目の前のロングブーツはなくなる。
夢中でただひたすら夢中でロングブーツを感じながら後輩の目の前でオナニーをした。
何度もブーツに濡れた先端を押しつけて拭うがすぐにまた濡れ、薄く泡を立たせた。後輩は抵抗していない。
レイプされるんじゃない。体じゃなくブーツにしか興味がないと気づいたのか。
夢のような一時。いや、自分にとっては夢だった。しかし、それは泡沫の夢。
いつも以上に激しく、強く興奮するオナニーは自分にとってあっという間だった。
棒から白濁液が噴出し、彼女の脹脛にどぶどぶっとと落ちた。いつも以上に多く噴出し、強く飛び散った。
黒の優美な稜線の脹脛に白い水溜りや筋がいくつも出来、美しいそのブーツは男によって恐らく初めて犯された。
物凄く気分がよかった。胸がすうっと軽くなり、さわやかな気分になった。これ以上の快感はない。そう思った。白濁液に濡れる先端をロングブーツの踵に擦りつけて拭った。
「何かかかってる……」
その時、彼女はそう呟いた。ふと、見ると薄暗い中で彼女はなぜか小さく笑っていた。
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